はじめに
コロナ後も引き続き学生に人気の就職先である旅行業界。わたしは旅行業界に直接携わっていませんが、資格手当がもらえる会社なので取得を目指しました。目的は達成しましたが、それだけではなくさまざまな機会で役に立っています。各科目で60%以上の正答率が合格ラインとなっており、まんべんなく勉強する必要がありますが、逆に満点を取る必要はありません。
覚えることは膨大ですが日常生活になじみ深い内容ですので、興味をもって学習に取り組む姿勢がつけば合格は難しくないでしょう。
テキストと問題集を何度もやりこみ、必要に応じてオンライン教材とYouTube無料動画も活用するのがわたしの成功事例です。
学習時間
わたしが中学時代に最も苦手だった教科は地理でした。資格のために勉強を始めた時点で、47都道府県の場所もほとんどわからなかったレベルです。ですので、とにかく学習時間は必要と言われているよりも多くこなそうと考えました。
一般的に言われている必要勉強時間:
【総合】300時間 【国内】200時間
実際の勉強時間:
【国内】2020年1月13日~9月6日(237日間) 519時間
【総合】2020年1月13日~10月10日(271日間) 600時間
各項目で60点以上が合格基準となりますが、結果的に自己採点はほぼ満点でした。ここまで勉強時間を費やせば、まず間違いなく合格できる試験だと思います。
旅行業務取扱管理者取得のメリット3選
就職活動で有利になる
旅行業法では、取り扱う業務範囲(海外・国内旅行企画旅行など)によって旅行業務取扱管理者の有資格者を事業所に選任しなければなりません。当然、旅行業界での就職活動では、有資格者はアドバンテージがあります。入社後に資格手当が出る、あるいは昇格に必要となることもあるでしょう。免許の更新なども不要ですので、旅行業界で早い段階から取得できればそれだけ長く活用できる資格と言えます。
コミュニケーションに役立つ
初めて会う人に、出身地を訪ねることはよくありますね。今までだったら「へぇ~、〇〇出身ですか」で終わりだったのが、一歩進んだ会話に踏み込めます。「ああ、■■橋で有名な...」「あの△△祭りの...」など、あえて世界遺産や日本三大●●ではなく、テキストで初めて覚えたような名所や名物を話題にしてみてください。「どうして知ってるんですか?」「地元の私でも知らないことをよくご存じですね!」と、間違いなく好印象につながります。国内だけでなく総合で海外も勉強すれば、海外の人とも友達になれる良いきっかけになりますよ。
国内・海外旅行の広告を楽しく読める
世界遺産や国内の名所など、募集ツアーなどの広告内容が分かるようになると、旅行先としての興味の幅が格段に広がります。それまでは超有名な観光地くらいしか旅先の候補に挙がらなかったかもしれませんが、資格合格レベルになれば、広告に出ている名所はほぼ知識として網羅できます。休日の新聞広告を見るだけでも楽しくなってきますよ。
オススメ学習方法4選
「スラスラ覚える 国内・総合旅行業務取扱管理者 一挙合格ゼミ」
実際テキストとしておすすめは、旅行業界志望者の学校を運営しているトラベル&コンダクターカレッジが出版しているこちらです。画像は2018年度版で私が受験したときのものですが、現在は2023年度版が発売されています。
他社のテキストは別々に販売されていることが多いのですが、こちらは1冊で国内・総合の両方に対応しています。まずは国内を滑り止めとして9月に受験し、10月に総合を本番として受けるのが良いでしょう。
それぞれの分野のベテラン講師がイラスト入りで解説してくれています。基本的には暗記物が国内・総合ともに運賃の計算が出題されますので、ルールをしっかりと理解することも必要です。
まずはテキストを一通り読み通し、大体どんな勉強をする必要があるのかを理解するのが第一歩です。当然、書いてあることを一度に理解する必要はありません。まずはテキストを一度読破してからは、さっそく過去問題に取り掛かってください。
「総合旅行業務取扱管理者 過去問題集」
問題集は同じく資格学校で有名なTACが出版しているものを使用しました。画像は2020年度版ですが、現在は2023年度版が発売されています。
こちらを選んだポイントは、問題数が直近5年分と多かったからです。総合の勉強をしていれば国内は網羅できるので、国内用はあえて購入せずにこちらの1冊を3回ほどやりこみました。運賃の計算問題は、本番も別資料を参照しながら解く方式となっているので、こちらの問題集も資料集は別冊で取り外しが可能となっています。
問題によっては、解説がやや物足りない部分もありましたが、ネットで関連情報を調べれば大体のことは解決します。出題傾向は毎回同じなので、問題になれるうえでも過去問を繰り返し解くことがどの資格試験においても王道と言えます。
残念なのは、宅建の問題集のように問題と回答が別冊になっていないため、いちいちページをめくり返して回答を照合しなければならない点です。現在、旅行業務取扱管理者試験の問題集で、その形式のものは見当たりませんが、問題集は解説さえしっかりしていれば何を買ってもそれほど変わらないので、取り外し可能形式が発売されればそちらの利用を検討しても良いかと思います。
オンスクJP 国内旅行業務取扱管理者講座
※オンスク公式HPより引用
国内のみの講座ですが、YouTubeで無料のオリエンテーションを見ることができるので、そちらでよさそうだったので決めました。オンライン教材としては格安です。
ユーキャンやフォーサイトなど、数か月かけてこなす50,000~80,000円程度のものはいくつかあるのですが、正直高いです。オンスクJPの教材の良いところは、月単位で必要な期間だけ利用できることです。私は月額1,480円(税別)を、7月から最後の3か月間利用しました。すでにある程度勉強してきている段階で申し込んだので、復習と確認を通勤やすきま時間にできるように活用しました。スタンダードプランは他の科目もすべて受け放題ですが、そこまで欲張らなくても学習相談室などを活用すれば十分元は取れます。
YouTube動画
旅行業務の勉強は、楽しみながらやりましょう。YouTubeでは、各地の名所が公式個人ともにいろいろな形で動画にアップされています。実際の動画を見て観光名所を覚えていけば、興味もわいてくるでしょう。
教材として大変お世話になりましたのは、下記の2チャンネルです。両方とも少し古い動画ですが、いまでも十分に参考になります。試験対策として要点をまとめていただいているので、スクールで教えてくれるような内容を無料で学ぶことができます。
- まいみーチャンネル MAIMI Channel: 海外の観光名所を個人で解説されています。
- soel takahashi: 国内の観光名所を個人で解説されています。
まとめ
国内・総合とも、独学で十分に合格を狙える試験です。宅建に比べれば難易度も低めですので、できるだけ集中して一気に知識を詰め込み、一発合格を目指しましょう。
国内と総合はほとんど勉強する範囲が同じなので、国内を模試・総合を本番のように考えてどうせやるなら両方同時にチャレンジしましょう。いまでは初対面の人にどこの出身かを聞いて、その土地の名物や観光名所をこちらから言ってあげることでぐっと距離感を縮めることができ、営業という仕事にも大いに役に立っています。地理や観光が好きでない人でも、勉強を通じて興味を持ち、合格することで世界観が広がります。旅行業に携わっていれば当然必要となる知識ですが、一般教養としても身に付けておくと人生で大いに役に立ちます。資格の保有維持には費用は掛かりませんので、ぜひ頑張ってください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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